2月25日から3月11日にかけて、インターバンド事務局長代行の松浦香恵氏が、派遣ミッション第2陣として、ジャカルタとアチェにて調査活動を行いました。このミッションは、第1陣の報告を受けて今後の復興支援に向けた具体的なプロジェクト形成のための継続的な調査を目的としました。
昨年12月26日の津波発生から約3ヶ月が経過した今、現地は緊急支援から復興支援の段階に入っています。被災者の多くは、海外からの支援のもと、生活基盤を立て直し始めています。
しかし、インターバンドの調査によると、津波が未曾有の大規模災害であったにもかかわらず、アチェ州における最も深刻な問題は津波ではなく、援助の不平等や意思決定の不透明さであることの共通認識を被災者自身も含めて持っていることがわかりました。また、難民キャンプでは、表面的には明るく見える人々も話し始めると声が沈んでなど、いまだに被災者は様々な不安要素を抱えています。その原因は、情報の不足、十分な説明が行き届いていないことにあると考えられます。 以上のことからも、今後引き続き、現地の様子を人々に伝えていく必要があることを痛切に感じています。
インターバンドは、独自の調査活動から、以下をアチェ支援方針とする方向で、プロジェクト形成に向けて準備を進めています。
人口のほとんどが敬虔なイスラム教徒であるアチェは、ムスリム指導者(ウラマー)が地域の有力者となっています。精神的なケアが必要とされる中で、長期的支援では、人々の心のよりどころとなる、宗教的指導者の育成事業が必要とされています。
人権擁護や法律支援を現地のNGOで、1999年のインドネシア選挙以来インターバンドと協力関係にあります。同協会は、津波によって一面の更地になってしまった被災地において、人々の土の所有権を守るなどの活動を行っています。
また、国内避難民キャンプには数多くの子供達がいて、その多くが両親が死亡あるいは行方不明になってしまった遺児です。彼らは津波のショックに加えて一度に家族を失ったショックに加えて一度に家族を失ったショックにより、精神的な障害を抱えています。被災した子供に多いといわれる失語症の症状も多く見られます。この現状に際して、インターバンドは、物質的な支援だけではなく、ワークショップやふれあいを通して、子供達への支援をしていきたいと考えています。
2005年3月までに約130万円の寄付が集まりました。この資金を活用して今後のアチェ支援に関わる調査を行い、避難民キャンプを避難民キャンプの子供達へ遊具を届けることができました。皆様の温かいご支援ありがとうございました。